大衆食堂をぬける秋風

昔の自転車日本一周

2013年10月20~21日 自転車日本一周の旅 34~35日目

本州と九州を繋ぐ関門海峡までやってきた。

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人道トンネルで地下から九州に渡る。

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トンネルの中ですれ違ったお兄さんから爽やかでスマートにお菓子をもらった。

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この日はビジネスホテルに泊まった事もあり、翌朝はのんびりしすぎて午前11時頃の出発となった。

本日は福岡県行橋市を80kmほど南下し、別府のゲストハウスに向かう予定である。
早く到着して温泉やらを楽しみたいのでハイペースで走る。

昼にお米を炊く時間すらもったいない気がしたので、ちょうど現れた地元の大衆食堂に入る。

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店に入ったのは昼食時を過ぎた14時頃。
年配夫婦がテーブル席に座りながら火曜サスペンス劇場の再放送を見ている。
ご主人は厨房用の白衣を着ていたので、どうやらこの店の夫婦らしい
CMに入る前のおなじみの曲もなんだかのどかに聞こえる。

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注文した唐揚げ定食が運ばれてきて、そのボリュームに頬がゆるむ。

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「600円でこれはお得、、、」

量が多いだけでなくサイズも大きい唐揚げを一口かじると、ホタテのように繊維がほどけていくやわらかさだ。
ジューシーな肉汁と一緒に濃いめの醤油味が染み出てくる。
ご飯がどんどんすすむ。

大盛りの唐揚げ定食をたいらげて一休みする。

午後の西日が窓から低く差し込み、爽やかな風がすだれを揺らす。
汗がひいていき、火照った体がヒンヤリとする。

「こ、心地よすぎる、、、」

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あまりの心地よさに眠り込んでしまいそうだったので、思いきって立ち上がった。

お勘定の際、ここはとってもいい風が入りますね、と話しかけてみる。

「そうなんだよ、でも今年の夏は暑すぎてね。嫌になっちゃったよ。」

「今が一番気持ちがいいですね。」なんて他愛もない話をしてから店を出ると、なんだかやけに穏やかな気分になっていた。

午前中は早くゲストハウスに到着したくて一心不乱に自転車をこいでいたのに。

「なんかもう、ゆっくり行けばいいや、、、」

なにをそんなに急いでいたんだろうと思って、しばらく音楽を聞きながら自転車を押して歩いた。
10月も下旬になり、景色もようやく秋らしくなってきた。

つづく

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