尾道のんびり散歩 その2

昔の自転車日本一周

2013年9月22日 自転車日本一周の旅 5日目

自転車で京都を出発してから初の休養日。
朝、尾道に到着してゲストハウスに自転車と荷物を置いてからずっと散歩している。

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細く入り組んだ路地は迷路のようで楽しい。斜面に作られた町なので、階段や上り坂が次々に現れる立体的な広がりも魅力的。
道なりに進もうか、坂を下りてみようか、はたまた階段を登ろうか。
分岐がたくさんで、どの道の先も気になる。

それでも2~3時間も歩くとさすがに疲れるし、お腹も空いてくる。
そんなタイミングでお好み焼きの暖簾が現れるのも素敵な演出に思えてくる。
当然くぐらずにはいられない。

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暖簾をくぐると初老のご夫婦が迎えてくれる。
頭巾にエプロン姿のおかあさんがカウンターの中でコテ持っており、おっちゃんは、、、おっちゃんは何をしていたか覚えていない。
テーブル席で昼ごはんを食べていたような気がする。

店内はテーブル席が2~3あり、あとはカウンター席。
L字に曲がった大きな鉄板のあるカウンターに座って、”ズリ”のお好み焼を注文する。
尾道では砂肝入りが有名らしい。

鉄板で塩コショウの振られた砂肝がコロコロ炒めらる。
「どこから来たの?学生さん?」とおかあさんに質問された。
仕事を辞めて自転車で日本一周をしており、今日は尾道観光、明日はしまなみ海道を渡ると伝える。

するとおかあさんは、旦那さんと息子さんと自転車でしまなみ海道を渡った思い出話をしてくれた。
「自転車に荷台が付いてたのは私だけだったから、水を入れた大きなタンクを持たされて、もうそれが重いのなんので大変だった。橋を渡るたびに山を登らないといけないでしょ。それをこの人達は気にもせず、、、」とにこやかに語る表情がやさしくて、この店がすぐ好きになった。

一方のおっちゃんは典型的なお調子者という感じで、店にいる間中ずっと饒舌に話して楽しませてくれた。
けれど話の内容はひとつも憶えていない。

お好み焼きはソバ入りでボリュームのある広島焼き。
砂肝のコリコリ食感も相まって食べ応えがあり、一枚で満足できた。
これで500円はかなりお得であった。(10年前の価格です。)

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店を出て散歩しながらゲストハウスに戻り受付を済ませる。
夕方に同宿の人達がオーナーのおばちゃんに連れられてきた。
自転車で愛媛側からしまなみ海道を渡ってきた大学生二人組と、大阪から来た人(同い年だった)の三人である。

ゲストハウスで少し話したあと、みんなで町を散策して夕陽を眺め、夜はお好み焼きを食べようという話になった。

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しかし駅前の大通りや商店街のお好み焼き屋はどこもシャッターが閉まっており、開いているのは飲み屋ばかりだった。

ダメもとで、昼にお好み焼きをいただいた「ぽんた」の電話番号を調べてかけてみると、電話口にお母さんが出た。
「お昼にお好み焼きをいただいた者なんですが、この時間はまだ、、、」
と聞いてみると、「大丈夫ですよ。準備してますね。」と、電話口からも優しさが滲み出てくかのような返答をもらった。

再び路地の町に戻ってぽんたに到着。
ほんとは閉店の時間かもしれなかったので、若干申し訳ない気持ちで暖簾をくぐって、「また来ました、、、」と言うと、テーブルで夕食をとっていたおっちゃんに「またお前か!」と言われた。

4人でお好み焼きを食べている間もおっちゃんは饒舌に場を盛り上げてくれたが、話の内容はやはり一切憶えていないという不思議。

つづく

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