三ツ矢サイダー並みに澄みきっていた21歳、夏。 part 3

2010年8月。バイク旅。
当時大学4回生。

ついに、憧れの北海道へやってきた。
しかし、地図を持たない主義が裏目に出て、どこへ行けばいいのやらまったくわからない。
もちろん、そんな主義が良い方向に転ぶことは滅多にないが。

資金や計画はおろか、地図すらも無いという無い無い尽くしの一人旅であるが、装備もろくなものではかった。

中でも、特筆すべきはテントである。

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大学の横にオープンした1000円均一ショップに、一人用テントがあるという情報を聞きつけた私はすぐさま買いに走った。

これがなんと身長170cmほどの私でさえ、足を伸ばして寝る事が出来ないという代物であった。

手の施しようがないほどに澄みきっていた私は、一人用のサイズとはこんなものなんだと信じて疑わず、ヒザを折り曲げて寝ていた。

そんな狭小スペースでの眠りであろうとも、キャンプ特有の目が覚めて朝日を浴びた清々しさは格別であった。

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早朝の冷んやりした空気の中をバイクで走り出した時の爽快感が、ビタミンすぅ〜マッチ並みに体に染み込んできていた。

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つづく

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