京都で漆と木工の仕事をしている脱サラ職人、柴田 明。現在34歳。
父は職人歴50年のガンコ者。絶望的な経済状況の中でおもしろおかしく生きていこうとする、希望にあふれた職人の生きざまをご覧あれ。

いろいろ振り切っていた22歳、冬 part2

2011年2月 京都から下道を3日間走り続けてたどり着いた鹿児島港。 フェリーであこがれの屋久島へと上陸する。 お昼前に到着したあこがれの地は、冬の曇り空で寒々としていた。 屋久島は、「ひと月に35日雨が降る。」と言われるほどに雨が多...

いろいろ振り切っていた22歳、冬 part1

2011年2月 当時22歳 大学の卒業式まであと少しという頃、就職を控えて持て余していたヒマで屋久島へ行くことにした。 移動はバイク。 ツーリングあり、キャンプあり、登山ありのよくばりプランである。 まずは下道で京都から鹿児...

三ツ矢サイダー並みに澄みきっていた21歳、夏。 part 4

2010年8月。バイク旅。 当時大学4回生。 「初めての北海道旅は、広すぎるあまり楽しみ方を知る前に走り回るだけで終わる事が多い。」 という言葉をよく聞く。 私もあてはまってしまった。 初めての北海道は、あまりにも広かった。 隣町...

三ツ矢サイダー並みに澄みきっていた21歳、夏。 part 3

2010年8月。バイク旅。 当時大学4回生。 ついに、憧れの北海道へやってきた。 しかし、地図を持たない主義が裏目に出て、どこへ行けばいいのやらまったくわからない。 もちろん、そんな主義が良い方向に転ぶことは滅多にないが。 資金や計画は...

三ツ矢サイダー並みに澄みきっていた21歳、夏。 part 2

「無計画こそ、未知の出来事に出会う旅の楽しみ方である。」 当時の私は、そのような持論をまきちらしていた。 ルートや宿泊場所を調べていないどころか、地図すら持たない主義を貫き通した。 そして、ただ下道を北へ走り、寄り道もせず、ご当地の物も...

三ツ矢サイダー並みに澄みきっていた21歳、夏。 part 1

2010年の事。 当時、21歳の大学生だった私はバイク一人旅に憧れるあまり、学業はほどほどに妄想だけはたくましく育まれていた。 颯爽とバイクに乗って気ままに移動し、キャンプをしては焚き火をおこす。 一人静かにコーヒーをすすり、ため息ととも...